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30人の集落でつくる蔵サウナ
新しい公共の家の始まり

ナカウテ(中右手)集落は岡山県北部の標高の低い山々に囲まれた谷あいの集落です。河川に添うように配置された住居群、生活の営みから作り出されたランドスケープでもある田畑や山林で構成され、20世帯30人の住民が暮らしています。

そんな所にある一人の建築家の移住してきました。

初めての冬、民家の雪かきに追われる中、一緒に除雪作業をしていた若者が古い蔵を見つけ「これがサウナだったらいいのに」といいました。それを聞いた建築家がサウナの構造を調べると、蔵の構造が北欧の伝統的なスモークサウナと似ていることに気が付きます。

地域に溢れる素材と人材

サウナの起源は2000年以上前のフィンランド、カレリア地方で農家が燻製小屋で暖をとり始めたことが起源とされています。サウナで使う小屋やロウリュウ、ウィスク、サウナストーンなど全て森の中で採取し使用していました。

ナカウテのサウナの起源はつい最近のこと。水も木材も豊富なこの山間地域で、使われていない農家の味噌・醤油蔵で暖をとりたいという住民の気持ちがサウナづくりを進めました。

唐突に聞こえますが、ここナカウテにも焚火に始まり囲炉裏やおくど、地場産業であるみつまたの蒸釜など暮らしの中にはたくさんの炉があり、炉の周りに人が集まって暖をとる。まさにサウナのような「採暖文化」があったのです。

そんな中、水路や木材、樹木に詳しい人、大工ができる人、暖炉に詳しい人、火焚きができる人、30人程の住人の中で得意な事や知識も持ち寄って、ついに蔵サウナが完成!

定員7人のサウナ室と山水から引いた水風呂。温度計、12分時計も水温計もないサウナ。その姿はまさしくフィンランドの古いスモークサウナ、しかし外観はそこら辺の田舎にある蔵という特別な「蔵サウナ」が完成しました。

久米屋では蔵サウナを楽しめる農家民泊サウナを五感で楽しむためのサウナクラフト体験サウナや古民家に関わる建築ワークショップなど参加型コンテンツを多数をご用意しています。ぜひ一度ナカウテに遊びに来てください。